高齢者の死因No.1!誤嚥性肺炎を予防する5通りの改善方法

誤嚥性肺炎の予防法

誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」で引き起こされる肺炎です。

肺炎は日本人の死亡原因の「悪性新生物(がん)」、「心疾患」、「脳血管性疾患」に次いで4位ですが、高齢者の死亡原因1位は「肺炎」。しかも誤嚥性肺炎が大部分を占めます。

誤嚥性肺炎の発見が遅れたり、体力が落ちていたりすると、万が一の事態になる可能性が高まります。

誤嚥性肺炎とは?

誤嚥により口の中の細菌や胃液などの消化物が気管から肺に入り込むことで、肺炎が引き起こされます。

時に高齢者は嚥下反射や気道の吐き出し機能が低下しているので、どうしても誤嚥からの肺炎になる確率が高まります。

誤嚥性肺炎になる原因としては、3つのタイプがあります。

【顕性誤嚥(飲食物の誤嚥)】
食べ物や飲み物を飲み込む「嚥下(えんげ)」機能が低下して、誤嚥した食べ物や飲み物が気管へ入ることで起こります。

【不顕性誤嚥(唾液による誤嚥)】
口内細菌を含んだ唾液を、寝ている間など気付かない内に誤嚥していることで起こります。

特に虫歯や歯周病があったり、歯をみがかなかったりすると、口内細菌が増えやすいので、誤嚥性肺炎の危険性を高めます。

【胃逆流による誤嚥】
寝ている間や横になっている時に、胃液などの消化液が食べ物と一緒に食道を逆流して、気管内に流れ込みます。

症状

・発熱が起こる
・激しい咳と黄色いタンが出る
・呼吸が苦しく「ゼイゼイ」という音が混じる

誤嚥性肺炎の症状は風邪とも似ており「風邪薬を飲んでも全然治る気配が無いと思ったら、誤嚥性肺炎だった」というのも良くある話です。

医療機関で「風邪」と判断される場合もあるので、胸部レントゲン写真を撮ったり、炎症反応を確認したりすることで誤診を防止します。

ただし上記のような症状が出ない場合でも、誤嚥性肺炎が起こっている可能性もあります。

・食事中や食後に、むせ、せき、タンが増える
・食事に時間がかかる
・唾液が飲み込めない
・タンに食べ物が混じっている
・のどにつかえ感がある
・食欲や元気がなくなる

という症状があれば、重症化する前にかかりつけ医や病院を受診することをおすすめします。

治療法

抗生物質を使い、肺炎の原因になる細菌を殺菌します。
呼吸不全に陥っている場合は酸素吸入を行ないます。

胃の逆流物による誤嚥性肺炎の場合は、短期間ステロイドを使って肺炎を鎮静化する方法もあります。

病院によっては、専門家から誤嚥を防ぐ為の、食事指導やリハビリの訓練を受けられる場合もあります。誤嚥が多かったり、誤嚥性肺炎の疑いがある場合は、専門の医療機関(耳鼻咽喉科や嚥下外来)の受診をおすすめします。

予防法

誤嚥性肺炎は性質上、再発が多いです。

再発を繰り返すと、抗生物質に抗体をもつ耐性菌が発生して、抗生物質が効きにくくなったり、肺の機能が低下しやすくなったりすることで、多くの高齢者が死亡する要因になっています。

その為、誤嚥性肺炎や再発を予防する対策を取る必要があります。

食べ飲みがしやすい食事を工夫する

食べたり飲んだりをスムーズに行なう為には、食事内容にも気を付けます。

・料理にとろみを付ける。
・固い食材はやわらかく煮る。
・食べやすい一口大に切る。
・水分と固形分を別々に食べる。

また身体の抵抗力を付けるために、タンパク質やビタミン、ミネラルなど栄養バランスが整った食生活を送ることも大切です。

食事や寝る時の姿勢に配慮する

食事をする時は、最も嚥下がしやすい「前屈み」の姿勢を取ります。
目安の角度は、アゴと首の間に指が3~4本入ること。

イスに座った時、深座りをすることで重心がお尻へいくようにする、ひじの角度は90度、足が指に付いていることも、大切なポイントです。

猫背の人は姿勢が崩れやすいので、イスに接していない背中の部分や腹部にタオルなどを入れて、背中?腹部がイスの背もたれに付くようにします。

食べている時だけではなく、寝ている時も誤嚥に注意する必要があります。

食後2時間程度は、すぐに横にならないことで、胃液の逆流を防止します。
ゲップや胸焼けがする場合は特に注意です。

就寝時は頭の位置を30度ほど高く保つことで、胃液などの逆流を防止します。

口の中を清潔に保つ

元々、唾液は無菌で少量であれば誤嚥をしても肺炎は起こりにくいです。

ただし口の中を清潔に保たず、口内細菌が多い状態になり、菌が付着した唾液を誤嚥してしまうと、肺炎になる可能性は上がります。

・うがいや歯みがきをする。
・入れ歯はこまめに洗浄する。
・手に付着した細菌が口に入らないよう、食べる前には手を洗う。
・歯科医院で定期健診を受け、歯垢や歯石、舌苔を取り除いてもらう。

嚥下機能を改善する

・舌や口、首を動かす体操を行なう。
・発声や歌の練習をする。
・口内や歯茎をマッサージする。

薬を使う

嚥下反射や咳反射を改善させるのに有効な薬としては「パーキンソン病治療薬、降圧剤、脳梗塞再発予防薬、 漢方薬」が挙げられます。

市販薬では手に入らないものが多く、自己診断で使用するのは危険なので、かかりつけ医に相談してみて下さい。

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