摂食・嚥下障害の重症度に関する分類

摂食・嚥下障害の重症度に関する分類

介護食を作ったり、摂食・嚥下訓練をしたりする時は、その人の摂食・嚥下障害の重症度を考慮する必要があります。

摂食・嚥下障害の重症度の見分け方としては「摂食・嚥下障害の臨床的重症度分類(DSS)」が参考になります。

摂食・嚥下障害の重症度に関する分類

誤嚥なし

【7.正常範囲】
臨床的に問題なく、治療の必要がない状態。
食事......常食
経管栄養......必要なし
摂食訓練......必要なし
在宅管理......問題なし

【6. 軽度問題】
主観的な問題を含めて、何らかの原因があり、摂食や嚥下が困難。
ただし食事の動作や歯の問題など、経過観察で良いレベル。
食事......軟飯・軟菜食。義歯・自助具を使用
経管栄養......必要なし
摂食訓練......時に行なう
在宅管理......問題なし

【5. 口腔問題】
誤嚥は無いが、先行期・準備期を含めて口腔期中心に障害があり、摂食に問題(食べこぼしや口腔内残留が多いなど)がある。脱水や低栄養状態になる危険性も。
食事時は食事時間の延長や指示などが必要になる。
食事......軟飯・軟菜食・ペースト食など。
経管栄養......必要なし
摂食訓練......行なう(一般施設や在宅で可能な範囲)
在宅管理......可能

誤嚥あり

【4. 機会誤嚥】
時々誤嚥したり、咽頭残留が多かったりする。
誤嚥防止方法が有効で、水の誤嚥も防止できる。
摂食管理をしっかり行なえば、低栄養や脱水、肺炎などを起こさない。
食事......嚥下障害食?常食
経管栄養......時に間欠的経管栄養法を併用する
摂食訓練......行なう(一般施設や在宅で可能な範囲)
在宅管理......可能

【3. 水分誤嚥】
水分で誤嚥するが、増粘剤を使うなど工夫した食物では誤嚥しない。
食事......嚥下障害食
経管栄養......時に間欠的経管栄養法を併用する
摂食訓練......行なう(一般施設や在宅で可能な範囲)
在宅管理......可能

【2. 食物誤嚥】
水分、半固形、固形食など、あらゆるものを誤嚥して、嚥下できない。
呼吸の状態は安定している。
食事......経管栄養法
経管栄養......長期管理に胃瘻※を検討する
摂食訓練......行なう(一般施設や在宅で可能な範囲)
在宅管理......可能

※胃瘻(いろう)......栄養をチューブで胃に直接送り込む為、お腹に空ける小さな穴のこと。

【1. 唾液誤嚥】
唾液を含めて全て誤嚥する。呼吸状態が不良または嚥下反射が全く起きない。
食事......経管栄養法
経管栄養......長期管理に胃瘻を検討。治療が困難な場合は気管食道分離術も検討
摂食訓練......困難
在宅管理......困難

摂食・嚥下障害の重症度の見分け方

摂食・嚥下障害がどの程度なのか知る簡単な方法として「摂食状態のレベル評価」が良く使われます。

実際に食べている状態をそのまま評価するので、専門の医療機関に行かなくても在宅で簡単に分かります。

摂食状態のレベル

【経口摂取なし】
1.嚥下訓練を行なっていない
2.食物を使わない嚥下訓練を行なっている
3.ごく少量の食物を使った嚥下訓練を行なっている

【経口摂取と代替栄養】
4.代替栄養*が主体。1食分未満の(楽しみレベルの)嚥下食*を経口摂取している。
5.1? 2食の嚥下食を経口摂取しているが代替栄養*も行なっている
6.3食の嚥下食経口摂取が主体で、不足分の代替栄養を行なっている

【経口摂取のみ】
7.3食の嚥下食を経口摂取している
8.特別食べにくいもの*を除いて、3食経口摂取している
9.食物の制限はなく3食を経口摂取している

10.摂食嚥下障害に関する問題なし(正常)


*代替栄養......経管栄養、点滴など口から摂取しないタイプの栄養法
*.特別食べにくいもの......パサつくもの、堅いもの、水など

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