誤嚥の危険性も!?介護食できざみ食を使う6つのデメリット

きざみ食の危険性

食品を噛む力(咀嚼機能)が低下した人向けに、食べ物を細かく刻んで食べやすくしたきざみ食が利用されることがあります。

ただし最近は様々な理由から、医療福祉施設ではきざみ食の提供を廃止してソフト食に移行したり、ただ刻むではなく工夫された状態で提供されたりすることが多くなっています。

きざみ食のデメリット

  • 食べにくく飲み込みにくい
  • 摂取量が少なくなる
  • 誤嚥の危険性
  • 口の中に食べ物が残りやすい
  • 食品が不衛生になりやすい
  • 元の形が無くなり、食欲が出ない

食べにくく飲み込みにくい

準備期(咀嚼期)

食材が刻まれているので「スプーンやハシで食べにくい」というのは、加齢でハシやスプーンが上手く使えなくなった高齢者にとっては、食べるのにも一苦労です。

また水分が少なく、パサパサした食品をきざみ食にすると、口の中でまとまりにくく、きちんと飲み込む際に必要な「食塊」ができません。

きざみ食に向いているのは、元々柔らかくて水分量が多い料理。
「何でもきざみ食にすれば食べやすい、飲み込みやすい」という訳ではありません。

摂取量が少なくなる

きざみ食は1食分の盛り付け量が、通常食よりも少なくなりがち。

例えば同じ1枚のキャベツでも、丸ごとと千切りを比べると、量は同じなのに千切りの方がカサが増します。

また「きざみ食は食べにくい」として、毎回の食事を残しがちになると、1日に必要な栄養が充分に摂取できず、低栄養の危険性が高まります。

誤嚥の危険性

誤嚥・窒息

「きざみ食はむせやすい」と良く言われます。

口の中でまとまらないまま「今飲み込もう」という意識が無い状態で、のど奥や気管へと入ってしまうので、食べ物を気管から出そうとして咳(=むせ)が生じます。

加齢により反射神経が低下した高齢者は、特に誤嚥の危険性が高い分、きざみ食の利用には気を付ける必要があるのです。

高齢者の死亡原因1位は「肺炎」。
そのほとんどが誤嚥による誤嚥性肺炎を原因にしています。

誤嚥に関しては「【図で解説】誤嚥はなぜ起こる?摂食・嚥下機能のメカニズム」で詳しく紹介しています。

口の中に食べ物が残りやすい

刻み食は食品が細かい分、ほほと歯茎の間、入れ歯と歯茎の間に入ったり、上あごに引っ付いたりと、口の中に食べ物が残りやすいです。

食後に歯磨きやうがいなどの口腔ケアをきちんとしないと、細菌が繁殖したり、横になった時に食べかすが気管に入って誤嚥したりする危険性が高くなります。

特に諸事情で口腔ケアが難しい人の場合の食事としては、きざみ食は不向きです。

食品が不衛生になりやすい

きざみ食は器に盛り付ける前に、調理済みの普通食を包丁やフードプロセッサーで細かくしたものです。

使用する調理器具(包丁やまな板、手など)が不衛生な状態だと、腐敗や食中毒などの危険性を高めます。

また細菌は食材の切り口から繁殖しやすいので、常温で長時間放置した場合、通常食よりも危険です。

施設の調理室や食品工場などは衛生管理が徹底しているので特に心配はありませんが、自宅の台所できざみ食を作る場合は、やはり衛生面に不安が残ります。

元の形が無くなり、食欲が出ない

細かく刻み過ぎると、元のおかずと見た目が大きく変わってしまいます。

これはペースト食やミキサー食でも言われることですが「自分がどのような料理を食べるのか分からない」「今から自分が食べるものが美味しそうに見えない」というのは、食欲を減少させる大きな要因の一つです。

安心安全なきざみ食の作り方

とろみ付け

「口の中でまとまりにくい」「刻んだ食材が気管に入りやすい」というデメリットを克服する為に、とろみ剤や片栗粉、粘度がある食品などで、とろみを付ける方法が利用されています。

特に市販のとろみ調整剤は、料理に混ぜるだけで簡単にとろみが付けられるので、弁当宅配サービスで頼んだきざみ食(お惣菜)にも便利に活用できます。

最後に

最近はきざみ食よりも安心して食べられる「ソフト食」を利用する機会が増えています。

ソフト食とは「見た目が普通食と変わらないのに、舌や歯茎でつぶせる程度の固さになっている食事」のこと。

良く煮込んだりゆでたり、(市販の介護食の場合)酵素を使った独自製法などで、食材を柔らかくします。

調理済みの料理を切るだけのきざみ食よりも手間と時間がかかりますが、その分安心して食べることができます。

自宅でソフト食に対応した料理を全て作るのは大変ですが、市販の介護食品で色々な商品が出ているので、活用してみると食事のバリエーションが増えて良いと思います。

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