寝たきりのリスクを軽減!高齢者の低栄養を予防する7通りの改善方法

低栄養の予防方法

高齢者の食生活で気を付けたいのが「低栄養の問題」

「自分ではしっかりと栄養を取っている」と思っていても、実は食事量が少なかったり、1日で必要な栄養が充分に取れていなかったりして、低栄養状態になっている場合も少なくありません。

低栄養は筋力の低下、転倒や骨折、病気などを引き起こしやすく、寝たきりの原因にも繋がります。

元気で健康的な毎日を過ごす為に、高齢者がなりやすい低栄養の予防・改善方法をまとめました。

低栄養の予防・改善方法

  • 主食・主菜・副菜をバランスよく取る
  • 食事回数は「3食+おやつ」
  • 食事をワンパターン化しない
  • おかゆを食べる時は+αの工夫を
  • たんぱく質を積極的に食べる
  • 栄養補助食品を利用する
  • 口腔内を清潔に保つ

主食・主菜・副菜をバランスよく取る

栄養バランスの良い食事には「主食・主菜・副菜」を意識することが大切です。

主食:主菜:副菜=3:2:1にすると、色々な食材を組み合わせた食事になるので、1日に必要なエネルギーや栄養をバランスよく摂取できます。

また炭水化物は間食で補いやすいので、1回の食事で食べられる量が少ない人はたんぱく質を優先的に取るようにして下さい。

【主食】
主に炭水化物、糖質、脂質。身体のエネルギー源になるもの。
ご飯、麺、パン、いも類など。

【主菜】
身体を作る元になるたんぱく質、カルシウムを多く含む食材を使った料理のこと。
肉、魚介類、大豆製品、乳製品など。

【副菜】
主にビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む食材を使ったおかず・お惣菜のこと。
緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、きのこ類。


【参考:70歳以上の栄養摂取基準】

座っていることが多い家事や買い物、散歩をする運動習慣がある
男性 1,850kcal2,200kcal2,500kcal
女性 1,450kcal1,700kcal2,000kcal
栄養素男性女性
たんぱく質(推奨量) 60g50g
脂質(目標量) 20~3020~30
炭水化物(目標量) 50~6550~65
食物繊維 19g以上17以上
ビタミンA(推奨量) 800μgRAE650μRAE
ビタミンD(目安量) 5.5μg5.5μg
ビタミンE(目安量) 6.5mg6.0mg
ビタミンK(目安量) 150μg150μg
ビタミンB1(推奨量) 1.2mg0.9mg
ビタミンB2(推奨量) 1.3mg1.1mg
ナイアシン(推奨量) 13mgNE10mgNE
ビタミンB6(推奨量) 1.4mg1.2mg
ビタミンB12(推奨量) 2.4μg2.4μg
葉酸(推奨量) 240mg240mg
パントテン酸(目安量) 5mg5mg
ビオチン(目安量) 50μg50μg
ビタミンC(推奨量) 100mg100mg
ナトリウム(必要量) 600mg600mg
カリウム(目安量) 2,500mg2,000mg
カルシウム(推奨量) 700mg650mg
マグネシウム(推奨量) 320mgl270mg
リン(目安量) 1,000mg800mg
鉄(推奨量) 7.0mg6.0mg
亜鉛(推奨量) 9mg7mg
銅(推奨量) 0.9mg0.7mg
マンガン(目安量) 4.0mg3.5mg
ヨウ素(推奨量) 130μg130μg
セレン(推奨量) 30μg25μg
クロム(目安量) 10μg10μg
モリブデン(推奨量) 25μg20μg

食事をワンパターン化しない

「一緒に食事をする人がいない」「以前よりも料理をしなくなった」などの理由で、高齢者の食事はワンパターン化しやすいです。

食事内容が固定になると、同じような食品しか食べないので、栄養バランスに偏りが生じがち。

料理をするのが大変な場合は、スーパーやコンビニ、デパ地下でお惣菜を買ったり、お弁当や食材宅配サービスを利用したりすると、色々な食品を食べる機会が増えます。

食事回数は「3食+おやつ」

低栄養を防ぐ為には、朝昼晩の3食をしっかり食べることが大切。
できるだけ毎食の栄養バランスを均等にすることで「体調が悪くて1食食べられなかった」という場合にも対処できます。

1食で食べ切れない場合は、間食で補う方法もあります。
例えば炭水化物ならばパンやお菓子、たんぱく質はチーズや牛乳、ヨーグルト、ビタミンや食物繊維はフルーツなど。

また高齢者は脱水症状を起こしやすいので、間食時に水分補給も合わせて行なうと更に良いです。

おかゆを食べる時は+αの工夫を

全がゆ

「ご飯は食べにくいので、おかゆにしている」という場合、おかゆは水分が多いので、ご飯と同じ量を食べたとしてもカロリーや栄養価は低いです。

エネルギーや栄養をより多くするには「白いおかゆ」ではなく、雑穀米や卵、魚介類、野菜、牛乳、豆乳などを一緒に加えると良いです。

栄養価がアップするだけではなく、彩りが良くなったり、良い香りがしたりすることで、食欲の増進にも繋がります。

たんぱく質を積極的に食べる

たんぱく質

血や筋肉、骨、皮ふ、髪、爪など身体の大部分の元となるたんぱく質。

1日あたりに摂取したい、たんぱく質の推奨量は「男性60g、女性50g」。この数値は18~69歳の推奨量と変わりません。

「高齢者は若い人と比べてあまり動かないので、たんぱく質を多く取らなくても良い」と思いがちですが、たんぱく質の摂取量が減ると筋力が低下しやすくなり、転倒や骨折の危険性が増します。

その為、高齢者も以前と同様のたんぱく質を取る必要性があります。

ただし高齢化が進むと「食が細くなった」「かたいものが噛み切れなくなった」「あっさりした食事が良い」などの理由から、肉や魚を食べなくなる傾向があります。

肉や魚には、卵や大豆製品とは異なる栄養素(アミノ酸やビタミン、ミネラル、鉄分など)が含まれてます。最近の研究では「動物性たんぱく質を多く摂取している高齢者の方が、老化の速度が遅く、病気にもなりにくい」ことも分かってきました。

「かたくて噛み切れない」という時は、鍋で長時間煮込んだり、繊維を切るようにうす切りにしたり、肉叩きや包丁の背で叩いて柔らかくしたり、肉だんごやすり身にしたりすると、食べやすくなります。

また市販の介護食品の中には、歯や歯茎で簡単に潰せるくらい柔らかくした肉や魚のお惣菜も色々と発売されているので、日々の食事に取り入れてみるのも良いと思います。

「少食でそれほど多く食べられない」という場合は、たんぱく質を粉末状にした栄養補助食品「プロテインパウダー」を利用する手もあります。水や牛乳、ジュース、みそ汁、スープなどに溶かすだけで、たんぱく質の摂取を手軽に強化できます。

栄養補助食品を利用する

少食で多く食べられない人には、栄養補助食品や栄養調整食品を利用する方法もあります。流動食、ゼリー、粉末タイプなど種類は豊富。

飲む量が量が少ない割に、エネルギーやたんぱく質、身体に必要な栄養素などが豊富に含まれているので、食欲が無い時でも取りやすいです。

そのまま食べるものや他の食材と混ぜて使うものなど、色々な形態の栄養補助食品があるので、普段の食事に取り入れやすいものを選んでみて下さい。

口腔内を清潔に保つ

口腔ケア

食品をきちんと噛む為には、日頃から口や歯を清潔に保つことが大切。

口の中の汚れを放置していると、歯周病や虫歯など「噛めない」原因に繋がったり、誤嚥性肺炎や感染症にかかるリスクが高まったりします。

食事後は歯磨きやうがいなどで、口の中を清潔に保つようにします。
どうしても口腔ケアが自分や家族では難しい場合は、定期的に歯科医院に通って、ケアしてもらうのも有効的です。

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