とろみ付けで失敗しない、とろみ調整食品の選び方7つのポイント

とろみ調整食品の選び方

当サイトのはじめての介護食と宅配サービスの「とろみ剤一覧」でも紹介しているように、とろみ剤は様々なメーカーから多くの種類の商品が出ています。

初めてとろみ剤を使ったり、他の商品と比較したい時の選び方のポイントをまとめてみました。

とろみ剤の選び方

  • 溶けやすくダマにならない
  • 入れてから安定するまでの時間が短い
  • 使用する食材へとろみが付きやすい
  • 本来の味や色を損ねない
  • 食材がベタベタしない
  • ナトリウムの含有量が少ない
  • 食物繊維の含有量が少ない

溶けやすくダマにならない

溶けやすくダマにならない

とろみ剤の使い方は「とろみを付けたい飲み物や食べ物に、とろみ剤を入れてかき混ぜる」だけ。

ただし「小麦粉に水を加えて混ぜたら、小麦粉がダマになった」と同じように、とろみ剤が溶け切れず、ダマになる場合があります。

そのままダマがある状態で飲んだり食べたりすると、固まりがのどに詰まる可能性が高く危険です。

ダマができた場合は、無理に溶かし切ろうとせず、必ず取り除いて、とろみが均一に付いている所だけを飲んだり食べたりします。

ダマをなるべく減らすには、溶けやすくダマにならないタイプのとろみ剤を選ぶことが大切。

商品によっては「入れた後かき混ぜる」と「飲み物をかき混ぜながら入れる」の2種類に分かれますが、とろみ剤が溶けやすくダマになりにくいのは「入れた後にかき混ぜてもOK」のタイプです。

各商品の使い方を見ると、どちらのタイプか分かるので、購入前に要チェックです。

入れてから安定するまでの時間が短い

時間が短い

とろみ剤によっては、時間が経てば経つほど「とろみが強くなり、ベタツキ感が増す」または「とろみが弱まる」という商品もあります。

とろみやベタツキ感が強い飲み物や食べ物は、口の中やノド、食道に張り付きやすく、誤嚥の危険性を高めます。

とろみ剤の使い方に慣れていない人は、時間によって粘度や付着性が変わることを意識せずに作ったり、「とろみが付かない」と使用量よりも多い量を入れたりすることが多いです。

食材にとろみ剤を入れてかき混ぜてから、とろみが安定するまでの時間が短い商品(目安は1~2分)を選ぶことで、食形態に応じたとろみ付きの飲み物や食べ物が作れます。

使用する食材へとろみが付きやすい

牛乳

とろみ剤には、様々な食材に使えるオールマイティータイプと、たんぱく質や塩分の関係でとろみが付きにくい「牛乳・濃厚流動食」に適したタイプなどがあります。

使用する食材によって、使用量やとろみが安定するまでの時間が異なるので「とろみ剤を主に何の目的で利用するか?」で選ぶのも一つの手です。

本来の味や色を損ねない

とろみ剤を使うと、どうしても味や香り、色が多少変わってしまいますが、なるべく影響の少ないものを選ぶのが「美味しく飲む/食べる」為に大切になります。

豆由来のグァーガムを使用することが多い、第2世代のとろみ剤は「豆くささ」を感じることがあるので、特に味を重視するならば第1や3世代を使うことをおすすめします。

原材料に「デンプン」を含む第1~2世代のとろみ剤は「入れてかき混ぜると白くにごる」というデメリットがありました。

元々透明感がある飲み物が白くにごってしまうと、見た目があまり良くなく、食欲不振になる原因にもなるので、なるべく透明感を保てるものを選びます。

原材料に「デンプン」がなく、パッケージや商品説明に「クリアタイプ」と書かれている商品を選ぶと良いです。

食材がベタベタしない

飲み物や食べ物にとろみを付ける理由は「嚥下力(飲み込む力)が低下した人でも、安心して飲み食べできるようにする為」です。

適度なとろみであれば良いのですが、とろみが強い(=粘度が高い)とベタツキ感が増して、飲み込みにくかったり、誤嚥に繋がったりすることがあります。

正しい使用量でも、商品によってはベタツキ感に多少違いが出てくるので、なるべくベタベタしないものを選ぶようにしましょう。

原材料がデキストリンと増粘多糖類で作られる第三世代のとろみ剤は、デンプン独特のもったり感がなく、のどごしの良さが特徴的です。

ナトリウムの含有量が少ない

とろみ剤の中には、より粘り気を出す為に、添加物としてナトリウム化合物が配合されているものが少なくありません。

心疾患や腎疾患などで塩分制限がある場合、ナトリウム含有量が多い商品は避けた方が良いです。

専門の医師や管理栄養士などに相談の上、利用することをおすすめします。

食物繊維の含有量が少ない

粘度調整や整腸効果を高める為に、とろみ剤の原材料に増粘多糖類、難消化性デキストリンなどの「水溶性食物繊維」が配合されていることが多いです。

便秘の解消などの効果が期待できますが、病気で食物繊維の摂取に制限がある人は、なるべく含有量が少ないとろみ剤を選びます。

パッケージの成分表に「食物繊維」の項目があるので、購入前に確認しておくと安心です。

最後に

高齢化による介護食需要で、各メーカーは様々なとろみ剤の開発・販売を行なっています。

基本的に新しく発売されたとろみ剤ほど、使いやすく、機能性に優れているものが多いです。

新商品や売れ筋商品を中心に、専門の医師や栄養士、施設のスタッフさんなどと相談しながら、使いやすいものを選ぶと良いと思います。

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