原材料で使用感が変わる!?とろみ剤の種類ごとのメリット・デメリットまとめ

とろみ剤の種類

水やお茶などの飲み物から、きざみ食、ミキサー食、流動食まで、あらゆる食事シーンで利用されるとろみ剤。

ドラックストアやスーパー、介護用品を取り扱うお店に行くと、色々なとろみ剤が売られていますが「何を基準に選んで良いのか分からない」と悩んでしまう人も少なくありません。

全くとろみ剤への知識が無い人は「とろみ剤に使われている主原料によって、使用感が異なる」ことを、まず知っておくと良いです。

とろみ剤は主原料によって「第一世代(デンプン系)」、「第二世代(デンプン+増粘多糖類)」、「第三世代(キサンタンガム、デキストリン系)」の3つに分けられます。

それぞれの特徴から、介護食で使う際のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

とろみ剤の種類

とろみ剤の種類一覧

第一世代

デンプンやデキストリン(デンプンを加工したもの)を主原料にしたもの。

デンプン独特の「もったりとした」とろみが、比較的短時間で付きます。

商品例としては、トロメリン顆粒(三和化学研究所)が有名です。

主原料がデンプンな為「ダマになりやすい」「溶けにくい」「たくさん入れないととろみが付かない」「唾液の影響でとろみが緩みやすい」というデメリットがあり、介護・福祉施設で使われることはほとんどありません。

ただし「食事の味が変わらない」「主原料がデンプンなので、カロリーが摂取できる」「カリウム値が低い」という理由から、現在も利用している家庭も多いです。

第二世代

デンプン+増粘多糖類(グアーガムなど)が主原料。 

グアーガムとは「グアル」というマメ科の植物から取れる水溶性の天然多糖類です。
増粘剤、安定剤、ゲル化剤など、食品添加物として利用されています。

特徴は以下の通り。

  • 糸を引く感じの粘度がある
  • 少量でとろみが付く
  • 食品の味を変えない
  • 食物繊維の補給もできる

商品例としては、トロミアップエース(日清オイリオ)やハイトロミール(フードケア)が挙げられます。

第一世代の改良版という所で「第一世代よりもダマができにくい、とろみが安定する、唾液の影響を受けにくい」などの利点があります。

ただし第三世代と比較すると、やはり使用感は劣ります。
飲み物(お茶、ジュース、牛乳など)への白濁やベタツキ感が気になり、口の中でのまとまり具合も弱いです。

第一、三世代と比較して、ナトリウム量が非常に少ないので、塩分が気になる人でも安心して利用できます。

また値段も比較的安いので「多少の不便さは目をつぶる」という人にはお得に利用できるとろみ剤だと思います。

第三世代

主原料にキサンタンガムやデキストリン、増粘安定剤を使用した第三世代は、現在販売・使用されているとろみ剤の中で最も代表的なものです。

キサンタンガム系の特徴は以下の通りです。

  • 食感がゼリーのような感じ
  • 少量でとろみが付く
  • 食品の味は変わらない
  • 食物繊維が多い
  • 牛乳や流動食などたんぱく質が多い食品にも強い
  • カリウム値や食塩相当量が高くなりやすい

第一、二世代のようにデンプンを一切使用していないので「ダマができず、ベタツキ感がない」「透明度の高い飲み物に使っても白濁しない」「唾液の影響が全くない」というメリットがあります。

また「とろみが付くまでの時間が短い」「長時間置いても、とろみが安定している」「味やニオイ、色が全くない」という特徴から、介護食用に使用するには最も適当なとろみ剤と言えます。

商品例としては、つるりんこQuickly(クリニコ)、トロメイクSP(明治)、とろみファイン(キユーピー)など様々。

片栗粉で代用できないの?

料理にとろみを付ける方法として、イメージしやすいのが「片栗粉」。

スーパーやコンビニで気軽に購入でき、とろみ剤と比較しても安価なので「片栗粉で代用できないの?」とは誰でも一度は考えることです。

結論としては、おすすめできません
ポイントは「利用できる機会が少なく手間がかかる」のと、「誤嚥の危険性を高める」の2点です。

  • 溶けにくく、ダマになりやすい。
  • 加熱しないととろみが付かないので、万能性が低い。
  • 冷めるととろみが弱くなる。
  • とろみ具合が「もたっ」としており、飲み込みづらい。
  • 唾液でデンプンが分解されることで、粘度がゆるみやすい。

「野菜あんかけ」など片栗粉でとろみを付けた方が美味しく仕上がる料理以外は、とろみ剤を使った方が安心・安全。

また「お茶用」「牛乳用・濃厚流動食専用」など、専用のとろみ剤も発売されているので、使う目的に合わせて使い分けるのもおすすめです。

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