飲み込みやすい食事に欠かせない!介護用とろみ剤の使い方
とろみ剤(とろみ調整食品)とは、飲み物や食べ物に溶かし混ぜることで、適度なとろみが付けられる粉末タイプの食品です。
とろみを付けることで、口の中で食べ物がまとまりやすくなったり、飲み物がのど奥に流れるスピードが遅くなったりする為、飲み込む(嚥下)機能が低下した人でも安全に食事を取ることができます。
温度や料理の種類に関係なくとろみが付けられるので、とろみをつけるのに温度が必要な片栗粉やコーンスターチなどよりも使い勝手が良いです。
とろみ剤の使い方
液体にとろみ剤を加えてかき混ぜることで、とろみを付けます。
100gあたりの使用量の目安は約0.5~3g。
コップ1杯に対して、小さじ1/6~1くらいの量です。
とろみの強さや食品によって、加える量を調整します。
商品によって使用量や使用方法が異なるので、詳細は各商品パッケージを確認して下さい。
お茶・水
お茶や水をかき混ぜながら、とろみ剤を加えていきます。
コップを2つ用意して、片方にとろみ剤、もう片方に飲み物を入れて、とろみ剤が入ったコップに飲み物を注ぎ、もう一度元のコップに注いで......を繰り返す方法もあります。
お茶や水だと溶けやすく約2分でとろみ感が安定しますが、イオン飲料などその他の飲料は約5分かかるので注意。
牛乳
牛乳はお茶や水と比較してたんぱく質が多い為、とろみ剤の性質上、とろみが付くまでに時間がかかります。
たんぱく質が多い食品にとろみを付ける場合は、牛乳・濃厚流動食用を使うことをおすすめします。
とろみ剤を入れて約30秒~1分かき混ぜた後、5分以上そのまま置いておき、飲む前に約30秒かき混ぜれば完成です。
一度に全部入れてかき混ぜたり、ダマがあったらスプーンの背で潰したりすることで、均一でなめらかな状態になります。
牛乳以外にも酸味が強い果汁入りジュースなどにも溶けにくいので、ミキサーやハンドブレンダーを使うと良いです。
みそ汁・汁物・スープ
具入りの汁物を作る場合、具を入れる前にとろみを付けます。
約30秒~1分混ぜた後、5分以上置くととろみがしっかりと付きます。
冷めた感じが気になるのであれば温め直します。
粘度が下がるのは60度以上になった時なので、温度によるとろみの変化は特に気にする必要がありません。
きざみ食
水分の少ない野菜や魚、肉に、とろみ剤を混ぜても溶けにくく、とろみは付きにくいです。
別にだし汁やスープなどにとろみ剤を加えて、とろみを出した後、きざみ食と混ぜ合わせるのが良いです。
ミキサー食・流動食
料理をミキサーやフードプロセッサーにかける際、だし汁やスープなどの水分にとろみ剤を混ぜたものを一緒に入れてペースト状にします。
入れ過ぎに注意!
とろみ剤は商品や使用する料理によって、とろみの付き方が異なります。
「とろみが全然付かない」と何杯も入れていると、粘度が増し過ぎて、のどに張り付く危険性が高まります。
とろみが強い時は、同じ飲み物や料理を加えてかき混ぜることで、とろみの程度を弱めることができます。
「スプーン1杯入れて混ぜる→しばらく置く→とろみが足りなければ追加する」を繰り返すことが、ちょうど良いとろみ付けに役立ちます。